2019年10月22日火曜日

STLファイルから「G-code」を作成する方法【Prusa i3】


テーマ:
国土地理院『地理院地図』でダウンロードした「STL(エス・ティー・エル)ファイル」から、3Dプリンターで印刷可能な「G-code(ジー・コード)ファイル」を作成する。



Step1 「STLファイル」の入手

地理院地図』にアクセスし、『タイル座標』を表示させる。
今回のターゲットは「福島県」浜通り地方。縮尺はタイル座標「10スケール」

地理院地図「福島県」浜通り地方
タイル座標「10スケール」のブロックが4つ入るように、地図の範囲を選択する。

『機能』→『3D』→『カスタム』→『大きさを固定』を選択し、「大きさ」に「514 x 514」と入力(詳細は前回記事:日本『3D地図データ』の入手方法を参照)。


3D化された地図
一辺およそ62km四方

3D地図が表示されたら、左下「高さ方向の倍率」を「2.5」に設定する。
その結果、3D地図の標高が2.5倍、上方向へ拡大されることになる。この数字の設定は任意。「1」で等倍。

『高さ方向の倍率』= 2.5 に設定

『STL(エス・ティー・エル)ファイル』をダウンロード。

『STLファイル』をダウンロード

「ダウンロード」フォルダに『dem.stl』というファイル名でダウンロードされる。今回のファイルサイズは「22.3 MB」。



※以下の解説は、3Dプリンタ『Original Prusa i3』が対象となります。




購入はアマゾン、もしくは Prusa Online Shop で可能です。

参考記事:アマゾン価格比較『Original Prusa i3 MK3S』



Step2 『PrusaSlicer』の準備




Prusa Research』→『Drivers, Firmware and Manuals』

『PrusaSlicer』のダウンロードページ

『PrusaSlicer』のダウンロードページにアクセスして、お使いの機種(たとえば Original Prusa i3 MK3 など)から『DRIVERS & APPS』をダウンロード(無料)。
※2019年10月22日現在、『PrusaSlicer』の最新バージョンは『2.1.0』

『PrusaSlicer』を開く
インストール完了後、『PrusaSlicer』を開く。



Step3 STLファイル「dem.stl」を『PrusaSlicer』で開く

画面右上メニュー『File』から
『Import』→『Import STL/OBJ/AMF/3MF...』を選択。

『Import STL/OBJ/AMF/3MF...』を選択

「ダウンロード」フォルダから、Step1で用意した『dem.stl』ファイルを開く。

90°に立って表示される「地理院3D地図」

地理院地図でダウンロードした3D地図は、上図のように垂直に表示されるので、修正が必要。

画面右側メニューに『Object manipulation(オブジェクト操作)』がある
画面右側メニューのうち
『Object manipulation(オブジェクト操作)』の
『Rotate(回転)』『X(X軸)』の欄に、数字『90』を入力。


『Rotete』『X』欄に「90」と入力

Object(オブジェクト)が、X軸方向に「90°」Rotate(回転)する。

3D印刷が可能な状態になる
これで、次の『Slice(スライス)』への準備が完了。

各種プリント設定は、デフォルト(初期設定)のまま使用。
Print settings: 0.15mm Quality MK3
Filament: Prusament PLA
Printer: Original Prusa i3 MK3
Support: None
Infill: 15%

デフォルト(初期設定)のまま使用

「Printer(プリンタ)」は各自のバージョン(MK2 or MK3 or MK3S など)、「Filament(フィラメント)」も各自のフィラメント(他社製ならば Generic PLA など)をチョイスすること。

※フィラメントの選択が異なると、ノズルの設定温度が合わないことがあるので要注意。とはいえ、ノズルの設定温度は3Dプリント中でもリアルタイムで変更可能です。





Step4 『Slice』してから『G-code』ファイルをつくる

画面右下に『Slice now』のボタンがある
上図拡大
画面右下の『Slice now』をクリック。
スライスが開始される。

『Slice(スライス)』が完了した状態

スライスされた3D地図は、縦に伸びた『バー』を上下させることで、各層の印刷プレビューを確認することができる。

1層目(ファースト・レイヤー)厚さ0.20mm
最初のレイヤーは丁寧にプリントされるので、この一層を仕上げるのに50数分かかる。

13層目(厚さ2.00mm)
今回の『Infill(インフィル)』は、デフォルト(初期設定)の『Gyroid(ジャイロイド)』『15%』。インフィル(詰め物)は、中空内部を支える構造、そしてそのパーセンテージを設定する。パーセンテージが高いほど頑丈(100%であれば隙間なし)。

27層目(厚さ4.10mm)
27層目から『Bridge infill(ブリッジ・インフィル)』が始まっている(薄紫部分)。中空だった構造上に「橋(Bridge)」がかかる。ちょうど海(太平洋)の部分。プリントスピードはスローダウン。

28層目(厚さ4.25mm)

つづいて『Solid infill(ソリッド・インフィル)』。表皮の中間層(赤紫部分)。

33層目(厚さ5.00mm)
そして33層目から『Top Solid infill(トップ・ソリッド・インフィル)』。この層が表面を仕上げる(赤色部分)。

40層目(厚さ6.05mm)
陸地のプリントがはじまっている(黄色部分)。

51層目(厚さ7.10mm)
どんどん標高があがる。

最終79層目(厚さ11.90mm)
ようやく完成。

画面右下に『Slice(スライス)』データ
『Slice(スライス)』されたデータを確認する。

Slice Info
Used Filament(g) : 80.49g
Estimated printing time : 7h 12m 25s

『Used Filament(フィラメント使用量)』、80.49g
『Estimated printing time(推定プリント時間)』、7時間12分25秒

上図拡大
『Export G-code(ジー・コード出力)』をクリックして、SDカードにデータを書き込む。



以上、地理院地図の「STL(エス・ティー・エル)ファイル」から、3Dプリンタ用の「G-code(ジー・コード)ファイル」の作成が完了。

次回は、今回作成した「G-code ファイル」から3Dプリントを開始する。



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